とにかく一読してほしい。それ以外に言葉がありません。帯に「封印された苛酷な受難史」とありますが、そんな通り一遍の表現はふさわしくありません。この本が私たちに指し示している事実の重さを、そのまま受け止めたいと思います。今私が書くのがはじめてのレヴューなのは、読まれた方たちが容易に言葉でこの本について語れなかったからだ、そう信じます。
それから、著者のスタンスに心から敬意を表します。たんに第三者的な、「研究している者」の立場ではありません。しかし同時に、「研究者」でなければ採れなかった立場であると思います。それは、理に走るのでも情に流されるのでもなく、物事と向き合い、考え、動くために知識を積み、知恵を研ぎ、問題の所在を究めていこうとする者としての「研究者」の姿勢であり、ここにはその意味での最上の知的誠実さが結実しています。