リトルブーツは、イングランド北西部のブラックプール出身。まだ25歳だが、すでに下積みが長く、曲作りと歌で努力し、ライブハウスや地方のレコード店などでのライブなどで、地道に努力して来た人だ。#
イギリスの早朝番組「GMTV」で言っていたが、「Little Boots」の由来は、「背が小さくて履いているブーツのサイズがとても小さいから、友人からそう呼ばれていた」ところから来ているとか。だから、「リトルブーツ」はバンド名ではなく、彼女のニックネームだ。下積みが長い分、とても歌唱力があり、曲もとてもいい。アナログモジュラー・シンセの音色を好み、 80s の影響が大きいとのことで、それが良く現れている。「エレクトロ・ポップ」といっても、必ずしもクラブ系や Perfume のようなものではなく、「80s の懐かしい香りを醸し出しながら、2000年代後期のアレンジで楽しむという感じ」としか表現できない。例えば「Stuck On Repeat」は、ニューオーダーや昔のディスコを思わせるような、とても80s的な雰囲気でありながら、数年前のカイリーミノーグをも思い出させ、しかもビートは今風だ。特にこの曲はライブ でのアレンジがとても力強く、音プラス、彼女の安定した歌唱力がとてもいい。歌が上手いのだ。
イギリスでの大ブレークのきっかけともなった、「Remedy」は、最初の暗黒世界(?)のような出だしはあまり好みではないが、後半からの盛り上がりはとても好きで、キャッチーなメロディと、安定したボーカルがとても気に入っている。ライブでは、この曲の出だしはちょっと変更されていて、その盛り上がりのサビから入っている。
インタビューなどでも言っているが、彼女はライブ重視で、お客さんに楽しんでもらえるように、演奏と視覚の両面でもとても気を使っているそうだ。例えば、ペットショップ・ボーイズやホットチップDJなどと競演したライブでのインタビューで、彼女曰く、「エレクトリック・ミュージックはライブ(生演奏)であり、ものすごく体を使うものであり、見ている人にとってエキサイティングなものだ。ただ単にノートパソコンの後ろに立っているだけではだめだ。ロックでギターを抱えて演奏しているのと何ら変わらない」と言っている。例えば「Remedy」においては、ヤマハ の Tenori-On などを駆使し、そのビートやベースだけではなくビジュアル面も面白くなるように工夫している。だから、エレクトロ・ポップと言っても、バック・バンドもなく、本当に歌っているのか分からないようなアイドル系エレクトリック・グループとは違い、自分の楽曲を、自分とバンドがちゃんと演奏しながら、しっかり歌っているのがよく分かると思います。
という訳で、このアルバム、とてもお薦めです。ファーストアルバムということもあり、いい曲がいくつも入っています。特にUKロック/ポップ・ファンの方、今イギリスでものすごく話題の一枚です。ぜひお試しください。