世界中で謎の出生数激減が起こり、同時に、常人と脳構造が異なる
超越的天才「ジーニアス」が生まれるようになった近未来。
子供はみな学園都市に囲われ、中でも「ジーニアス」は国際的な
特別扱いを被り、管理されて暮らしている。
…と書くと重厚なSFのようだが、描かれ方はごく普通の学園モノだ。
主人公の高行は、スポーツ特待生なのに足をダメにしてまった少年。
ヒロインの八葉は、ジーニアスなのに自分が何の天才か分からない少女。
それぞれ質の違う孤独を抱えた2人が、不器用にぶつかりながらも
自分の居場所を見つけてゆく、そんな青春ストーリーである。
正直、キャラも世界観も展開も、突出した所は無いし、
「先が知りたい」と強く引っぱられる感覚も無い。
だが、語り口がスムーズなため、読み進むのをつまづかせる要素が無く、
ついつい読み続けてしまう。
この本自体はまだ特筆すべきクォリティではないが、
こういう「地力」が高い著者にはラノベではなかなか出会わないので、
今後大きく躍進する可能性を秘めていると思う。
今後の活躍に期待したい。