ファンなら周知の通り、Hello!Projectはこれまでメンバーの加入・卒業を繰り返しながら、その歴史を積み重ねて来た。その歴史の中で、今や伝説となっている様な卒業コンサートも多く存在する。だが、この夜のステージは全てのファン、そしてメンバーにとっても、最も特別な日になったのではないだろうか。
「雨の降らない星では愛せないだろう?」で幕を明け、09年のハロプロを披露。セット中盤ではタンポポ、プッチモニ、おとめ組、さくら組等、各ユニットに携わったメンバーが集合し、タイムマシーンで一気に「あの頃」へと戻ったような、懐かしい選曲で伝説を再現する。私は「愛の園~Touch My Heart!~」を見て、加入当時の田中れいなの事を思い出した。その驚異的な歌唱力で、現在のモーニング娘。の楽曲を形成する上で、多大な貢献を果たしている田中だが、この曲のオリジナルを聴き返しても分かる通り、そのヴォーカルスタイルは加入した時点で既に完成されているのだから恐ろしい。他にも、松浦亜弥、名義こそ違えど美勇伝の復活、そして5期メンバーによる「好きな先輩」も登場。ただ昔の曲をなぞるだけでは無く、キャリアを積み、それぞれに立場も変わった現在のメンバーが「あの頃」を再現するのが興味深い。
その一方で、Berryz工房、℃-ute、真野恵里菜も新曲・持ち曲を歌い、偉大な伝説に引けを取らない現在のハロプロを披露する。しゅごキャラエッグ!、アイスクリー娘。も期待の新星である。
この横浜公演は、正に11年分の歴史と未来を凝縮した夢のようなステージだ。普段は全国各地で別々の生活をしている人々(ファン)が、同じ場所に集合し、同じものを見て感動し、笑い、楽しみ、時間を共有する・・・それがHello!Projectのステージであり、その力は偉大だ。曲を聴いた時に感じる思いや、その曲にまつわる思い出はファン一人一人によって違うだろうが、それぞれの自分と交差させながら、この作品を楽しんでいただきたい。