この本を読むまで「芸術は多くの人に評価されなければ、所詮作者、演奏者の自己満足に過ぎない」と思っていた。そうでなければ作品、演奏に対して芸術家、演奏家が言いたい放題いえるてしまうから。本当に良いものは、理屈を超え、皆を納得させてしまうものだ。そう考えていた。もしかしたらそれは誤りだったのかもしれない......
人々が待ち望んでいるもの、求めているものを与えるのが芸術ではない。文化的にはるかに高みにあるものを目指すのが芸術なのだろう。そのようにして作られたものならば誰にも理解されずともよいのではないだろうか。
「その時代に認められずとも、いつの日にか新しい時代が認めてくれる」
有形な物ならば、そういうこともあるだろう。では無形のものは?例えば録音などもされず、誰も覚えていないような演奏......
この物語には救いはない、が真理は描かれている。己の理解できないものをすべて批判するのは大衆のエゴでしかない