「私は猫ストーカー」「猫座の女の生活と意見」等の著者の、ちょっとオルタナティヴな好著。「彷書月刊」という読書の専門誌(!?)に連載された文章をまとめたものなので、あまり一般的でない固有名詞も遠慮なく飛び交うが、他の著作と併せて読むと、文体やイラストのイメージから最初に受ける「ふんわり感」の奥に、確固たる独自の世界が拡がっているのがわかって面白い。
「散歩とタクシー」「雨の中で本は…」と題したエッセイ等で描かれた町の情景は、不思議な短編映画のよう。筆者の妄想と鋭い観察眼が化学変化を起こして、なんともいえない味わいを残します。巻末の近代ナリコとのあけすけな対談も楽しく、この著者が本や猫以外のことについて書いたものも、いろいろ読んでみたくなる。