『ちはやふる』で知った著者の四つの短篇を収めた作品集。『ちはやふる 1』の巻末の案内文に<涙なしには読めないハートフル短編集>とあったのですが、その謳い文句、だてじゃなかった。
自分の気持ちを大切な人に伝えようとひたむきになる人たち。彼らの一途で一生懸命な姿が素敵で、健気で、そして切なくて、ひとつの話につき一回以上、目頭が熱くなりました。
☆ 50歳の元気なおばちゃんと23歳の引っ込み思案の女性の、心と心が触れ合う・・・・・・「ハルコイ」
☆ 人の幸せをプロデュースするのが仕事の30歳の主人公が、自分の幸せを掴もうと手を伸ばす・・・・・・「指輪の片想い」
☆ このままいくと潰れるだろう食堂を立て直すべく、元・食べ物屋の娘が奮闘する姿を描いた・・・・・・「美彩(びさい)食堂」
☆ 最近忙しくてあんまり笑ってくれなくなったおかあさんに、何とか元気をあげようと必死になる七菜(なな)ちゃんの冒険談・・・・・・「ななつの約束」
格別、「ええ話やあ」とじんときたのが、「美彩食堂」と「ななつの約束」の二篇。号泣したくなる切なさっていったらいいのか。話の終盤、もう、たまらんかったです。涙があふれました。
心の中いちめん、たんぽぽの花が咲き、桜の花びらが舞うような短編集。「素敵な感動をありがとう!」って、著者に言いたいです。