大ヒットしたファンタジー小説シリーズの映画版。原作は未読。
両親を亡くし、親戚の家で迫害されながら過ごすハリー・ポッターが
11歳になってホグワーツ魔法魔術学校に入学し、
そこで1年間を過ごすまでが語られる。
一人前の魔法使いを目指して勉強する魔法学校の雰囲気や
そこの先生たちが使う不思議な術、ファンタジックな世界観は
非常にうまく実写化されていて、
原作を知らない人でも独自の世界に引き込んでくれる。
ただし、あくまで長く続く話の序盤部分を映像化した作品なので
一本の映画として観た場合、
特に何がある、という内容ではないのが残念。
言うなれば何も始まってないし、何も終わっていない。
劇中では怪物との戦いや魔法使いたちのスポーツなどが描かれ、
その世界への没入感を高める効果はあるが、
2時間半という作品単体での山場や伏線としては
ほとんど役立っておらず、割と脈絡なく事件が起こった感覚がある。
幼い頃、凶悪な魔法使いヴォルデモートに襲われつつも
逃げ延びたハリー・ポッターは魔法界ではかなりの有名人らしく、
劇中ではさまざまな面で相当に優遇されているのを感じる。
入学して間もないのに学内スポーツのエースに選ばれるし、
みんなが憧れる最新のホウキをプレゼントされるし、
彼が在籍する寮には対抗戦のバランスを崩すほどの点数が入る。
ハリー・ポッターは特別な存在だから良いと割り切れるなら問題はないが
公平な目で見た場合、他の生徒はたまったものじゃないだろうし、
何も悪いことをしていないのに
最下位のチームにトップを奪われるスリザリン寮は哀れだ。
もともと「ハリー・ポッター」シリーズが好きな人や
主人公の恵まれっぷりに疑問を持たない人なら楽しめるだろう。