ハリーとトント。ずいぶん以前に観てからずっと心から離れなかったこの映画、ついにDVD化されたので購入しました。猫さんの登場する映画として有名ですが、ロードムービーとしても非常に優れていますね。家族や道中で出会う人々が当時の世相を反映しているところは「フォレスト・ガンプ」、世代や文化の違う若者へも理解を示す老人といった構図は「世界最速のインディアン」にも見られますが、「老い」や「死」を、誰もがいつかは捉われるものとして静かに正面から見つめているところにズドンと来るわけです。
「そうか、バスは嫌いか。自由がいいか」
猫さんの自主性を重んじるあまり、飛行機やバスなど公共交通手段での移動をとり止め、(運転免許が失効しているのに)中古車を購入してまで猫さんとアメリカを横断するわけですが、猫さんと老人との絆が感じられる、「ベスト・オブ・猫ムービー」であります。
猫さんにひもを着けることには様々な意見があると思いますが、劇中では安全のため(さらに危険な場所では常に抱きかかえている)であることが理解できますし、猫さんをひとつの人格として尊重しながらも、人間として(人間社会から)守るべきところでは猫さんを守っている(しかもそれが習慣化している)ことも伺えます。