非常に分厚いです。全部で3000ページあり、2分冊の箱入りになっています。量った所、全部で5キロを超えていました。片方だけでも持ち運ぶのは辛いです。ちなみに英語の原著の方がやや小さい上に大分安いことを付け加えておきます。
前編フルカラーで意外と分かり易い記述です。標準生理学などは文章中に専門用語が非常に多く出てやや難しく感じることもありますが、本書はそれらに比べればやや読みやすい印象があります。どうしてもこの様な大きい本の場合は文章の難易度も外見に比例すると思いがちですが、良い意味で肩透かしを食らいました。他方で疾患に影響する遺伝子名など聞きなれない用語も多いです。ルービン病理学や標準生理学などは1000ページありますが、医学という膨大な事柄を記述する為には紙面が足りないのか、文章が駆け足と感じることがあります。一方本書は3000ページで小さい活字、広い紙面なので医学を丁寧に記述できるようです。結局、私は何か調べものをする場合は本書が第一選択肢となってきます。調べ物だけでなく、学習の際にも本書は私にとって第一選択肢に近いです。
本書では定義、診断、疫学、病態、病態生理、病理、臨床像、患者へのアプローチ、治療法なども詳しく載っていますので医者にとっては即戦力になります。例えば狭心症の治療法は患者への説明法、虚血性疾患を有する女性患者における危険因子の除去、硝酸薬、カルシウム拮抗薬、β遮断薬、抗血小板薬、その他の治療法などの治療法関連だけで4ページも載っています。医学の礎だけでなく、即戦力にもなる名著。それがハリソン内科学ではないでしょうか。今日の治療指針を2倍詳しくした本という印象もあります。(わずかに今日の治療指針と紙面が似ている気もしました。)
蛇足ですが医学系の本は改訂が早いので最新の本を買ってもすぐに古くなる傾向があります。このハリソンももう少しで改訂版が出るようです。