それに伴い、プリウスの認知度は上昇。原油高も影響して売り上げは急増している。2代目プリウスの販売台数は、発売した2003年は4万3100台だったが、2005年には17万5200台に膨らんだ。
本書は、トヨタがいかにプリウスを開発し、育ててきたかを関係者へのインタビューをもとにまとめたものだ。
1990年代、世界の自動車メーカーは燃費の良い「次世代のクルマ」開発に走り出した。ライバルが先行する中、トヨタは奥田碩・現会長らトップが94年にハイブリッド車の開発を決断する。
開発責任者となった内山田竹志・現副社長はエンジン、コンピューターなど、関係するエンジニアを一同に集めた「大部屋」式での開発を要請。経営トップは了承した。その結果、設計から3年弱という短期間で、世界初のハイブリッド量産車を市場に送り出すことに成功した。
「社徳」を目指したトヨタ
90年代半ばから、欧米のメーカーは自社ですべてを開発・生産する「自前主義」はコスト高の要因として排除する傾向を強めた。が、トヨタは自前主義にこだわり続けた。ハイブリッドシステムでも、根幹部品をグループ企業などと連携しながら内製化。これが、ハイブリッドの技術競争で先頭を走る要因となった。
「社徳」のある企業になるべく、エコカーの1つとしてハイブリッド車に力を入れ、「環境保全に熱心」と評価を高めたトヨタに対し、燃費は悪いがもうけの大きいSUV(多目的スポーツ車)の開発・販売にばかり注力した米ビッグスリーは凋落した。トヨタは2006年中にもゼネラル・モーターズ(GM)を抜き、世界生産台数トップとなる見込みだ。
本書からは、プリウスを通して、トヨタの世界戦略も見えてくる。決断の速さ、的確さ、意思の強さなど、トヨタの「経営力の強さ」を再認識させられる。
(日経エコロジー 2006/07/01 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)
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