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ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書)
 
 

ハラスメントは連鎖する 「しつけ」「教育」という呪縛 (光文社新書) [新書]

安冨 歩 , 本條 晴一郎
5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)

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商品の説明

内容(「BOOK」データベースより)

ひとのコミュニケーションに、ハラスメントの悪魔はいつでも忍び込む。気鋭の研究者による画期的な論考。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

安冨 歩
1963年生まれ。京都大学大学院経済学研究科修士課程修了後、京都大学人文科学研究所助手、名古屋大学情報文化学部助教授、東京大学大学院総合文化研究科・情報学環助教授を経て、2007年より、東京大学東洋文化研究所准教授

本條 晴一郎
1978年東京都生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程在学中。日本学術振興会特別研究員。力学系理論をベースにした複雑系科学を背景に、生物はどのように学習を進めコミュニケーションを可能としているのかの研究を進めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

登録情報

  • 新書: 331ページ
  • 出版社: 光文社 (2007/4/17)
  • ISBN-10: 4334033997
  • ISBN-13: 978-4334033996
  • 発売日: 2007/4/17
  • 商品の寸法: 17.3 x 10.9 x 0.8 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 3.8  レビューをすべて見る (9件のカスタマーレビュー)
  • Amazon ベストセラー商品ランキング: 本 - 117,117位 (本のベストセラーを見る)
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形式:新書
「複雑さを生きる」で人間を人間たらしめているコミュニケーションにハラスメントという危険な契機が潜むことを指摘した安冨氏。今回は自然科学者の本條氏との共著で心理学からの光を当てることでハラスメントの科学を展開している。一部子供っぽい例示もあるが全体としては十分に説得力のあるロジックになっている。
昨今企業ではコンプライアンスの要請から行動規範遵守のため右に倣えの研修が盛んだ。業界や社内の掟が法律より優先された時代は過去のもの。しかし外部規範という型にはめること自体がハラスメントの契機を有することに気付かされる。学校のいじめを解決しようと教員管理を厳しくするのも同じ間違い。コミュニケーションはフィードバックが大事だというドラッカーが魂の脱植民地化というハラスメントとの戦いを説いていたのだとは。
このレビューは参考になりましたか?
14 人中、12人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
「ハラスメント」概念の一般化は、不可視化されていた暴力を可視化したという功績については評価してもしきれないほど大きい。
 しかし、一方で、一種の『不寛容さ』が蔓延した社会(香山リカにいわせると「劣化」)において、痛めつけられた者が"イノセントな正当性"をまとう格好のタームになってしまった、という面もある。
 本書では、乱暴に言ってしまうと、「この世は、誰しも二人以上集まった場でのコミュニケーションにはハラスメントだらけ」と書かれているわけで、それはその通りなんだけれど、絶望感だけを抱かせてしまいかねないところもある。
 たとえば、アサーティブネスを語る者が非アサーティブ的だったり、他者のハラスメント性を指弾する者がその行為自体によってハラスメント構造を再生産している、とかいう場面もたくさんある。しかし、「痛めつけられた」という相対的剥奪感は「私たち/おまえら」というふうに簡単に区分されて配分されてはいないんだから、ことはそう簡単・単純にはいかない。そこのところを「連鎖する」構造として明らかにしているところが本書の最大の功績だろう。

 コミュニケーションのメカニズムを解説するところで、ハーバーマス的近代的討議モデルが批判されているのだけれど、「ルールとして、未完だろうと予測しつつ取り入れているモデルとしての討議」と、「実際に行われていること」との間にズレがあるのは当たり前であって、同書で示されている相互変容モデル(とでも言っておきます)は"現実に行われ、成功している<討議>のケースの記述"としてはその通りだと思う。そうした相互変容的ケースを実現するためには「モデルとしての討議」もまた必要だと思うし、近代的討議モデルはあくまでそういうことしか言ってないんじゃないかな? 私自身もだからこそそれを維持しようとしてきたわけです。
 もっとも、現実に起こっているさまざまな"論争"やら"議論"は、モデルとしての討議にすら向かっていない&それゆえに相互変容にも至らないことがほとんどなわけですが、それを<モデル>に起因するものにしてしまっていいのかな? & 新たなモデルの提出(それは私には"モデル"じゃなく、"記述"だと読めるわけだけれど)で解決するのか?は保留中です。

 本書では、結局、ドラッカーのマネジメント思想、孔子の仁愛、にしか活路を求められない(それはそれで価値あることとは思います)結論に持っていかれているんだけれど、「うーん、そんなんでいいのか?」と頭を抱えてもしまう。
 ただ、孔子は"礼"というコミュニケーション&権力関係の望ましいプロトコルを説いたわけで、けっして宗教じゃない。ドラッカーもマネジメントを説いているわけで、両者とも「人はこうあるべき」というところとはちょっと距離がある、というところに救いがある。それはけっして「みんなで立派な人間になろう(みんなが立派な人になれば大丈夫)」という"安易さ"とは対極にあるといえるから。
このレビューは参考になりましたか?
29 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
衝撃作 2007/6/30
形式:新書
恩師から受けていた奇妙なハラスメントを、渾身で拒絶した直後に読んだ。ほとんどの頁において、確かににそうだという実感があり、波のように衝撃が重なっていく体験だった。

私自身が紛れもなく「ハラッシーハラッサー(ハラスメントをする人の外的規範を用いて周りの人に無節操にハラスメントをしかける状態)」だと感じる。「二枚舌(目の前に誰がいるかによって人格が変わってしまう状態)」も重なっていると気づいた時が、一番の衝撃であった。あまりに的を射られるので厳しく苦しいが、読みすすむにつれて学習回路と勇気が整っていくのが感じられた。

読了後、2ヶ月がたつ。ハラスメント的なものに接触すると、今も強い拒絶反応があり、内蔵が丸出しになっているような心もとなさである。しかし一方で再生の予感も大いにあり、じっくり考えるきっかけをつくってくれた本書に感謝している。

ハラスメントから脱却するためにはエンターテインメントが重要、と著者たちは強調するが、この本自体が極めて高いエンターテインメント性を保っている。
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