味付けにかなり凝った映画だ。
バードボイルドな画面はなかなか渋いし、音楽も雰囲気がある。衣装やセット小物類も大変凝っている。物語はほとんど夜間のシーンか屋内で、昼間のロケ撮影のシーンがほぼない。(中盤までのブレードランナーのようだ)
映画の終盤にカタルシスがあるタイプではなく、じんわりと静かに締めくくっている。ほろ苦い余韻を味わうラストとなってる。
サスペンスとかミステリーとかそういった楽しみ方ではなく、前記のような味付けに酔うように観るのであれば、お勧めできる映画だ。
これはこれでそれなりに楽しめる映画なのだが、ヴェンダースにとってはどうだったのだろう。
そんな風に思えるのはたしかだ。
製作はかなり手間取ったという(ロケ中心に撮影されたバージョンもあったそうで、かなり撮り進んだようだがお蔵入り…)。その苦労が他の傑作映画の誕生に大きな影響を与えたことは余りにも有名だ。
ロケ中心のヴァージョンはどんな感じだったのだろう。ヴェンダースの味わいが強かったのだろうか。
ソフトとしては画質の美しさ(というより、なまめかしさ)が際立っている(暗いシーンが多いのでやや細部の写りが悪いように感じることはあるが)。
その他、メニュー画面は凝っているものの映像特典は予告編のみであっさりしたものである。ただ、再発で価格も下がっているし、コストパフォーマンスはまあまあだと思う。
ところで
図書館(?)のシーンでガラスの床になっているシーンがあったが、鈴木清順を思い出した。なんでガラスの床なんてシーンにしたんだろう。