To be, or not to be, that is the question,のセリフがあまりにも
有名な『ハムレット』。この有名な独白の原文の難しさ、また「四大
悲劇」というジャンル分けから、何となく堅苦しい印象があり敬遠して
きた。
しかし、英文科の学生としてたとえ翻訳ですらハムレットを知らないの
はまずいだろう、ということでトライしてみた。
すると、シェイクスピアとしては比較的分厚いにも関わらず、今まで
読んだどの作品よりもすいすい読めたのである。
復讐悲劇であるこの話は、先王の亡霊が息子の王子ハムレットに、
「弟である今の王が自分を殺し、妃までも奪ったのが真実であり、復讐
をしろ」ということを伝えに現れ、、ハムレットがいろいろと考える
うちに、王もハムレットを危険と感じ陰謀をめぐらせ始める・・・
というもので、メインキャラが次々と死ぬ筋立ては確かに悲劇である。
しかし、作品で際立つのはその悲劇性よりも、陰謀が絡み合うサスペンス
性、そして何よりも素晴らしい台詞の数々である。
引用の典拠とされることも多い作品だから、どこかで聞いたセリフもあろう。
どの人物も、詩的で、哲学的、思索に富む深い言葉を言ってくれている。
「うまいことを言うなあ」「いいことを言っているな」と思わせる言葉
が次から次へと繰り出され、非常に読み応えのあるすぐれた作品だ。
訳も非常に読みやすい。