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ハプスブルク家 (講談社現代新書)
 
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ハプスブルク家 (講談社現代新書) [新書]

江村 洋
5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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商品の説明

内容説明

ヨ-ロッパの「宗家」ハプスブルク家の盛衰王家の中の王家,超国家的な支配原理で陽の沈まない帝国を築いたハプスブルク家.カ-ル五世,マリア・テレジア等の闘争と政略の7百年を通しヨ-ロッパを考える

内容(「BOOK」データベースより)

キリスト教が心なら、ハプスブルク家は背骨である。ヨーロッパという肉体の中心、結婚政策により勢力を保ち続けた名門王朝の歴史を探る。

登録情報

  • 新書: 248ページ
  • 出版社: 講談社 (1990/8/10)
  • 言語 日本語
  • ISBN-10: 4061490176
  • ISBN-13: 978-4061490178
  • 発売日: 1990/8/10
  • 商品の寸法: 17.4 x 10.8 x 1.4 cm
  • おすすめ度: 5つ星のうち 4.5  レビューをすべて見る (20件のカスタマーレビュー)
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By ともぱぱ 殿堂入りレビュアー トップ50レビュアー VINE™ メンバー
形式:新書
90年第1刷発行で、私の手元にあるのが04年発行の第34刷。これだけで本書がいかに支持されてきたかがわかる。私はハプスブルク家に関して、戦争に弱いくせに多くの民族を抑圧した王朝という偏見を持っていたが、本書でその偏見は見事に拭い去られた。凡庸な者もいたが、王者の矜持を胸に刻んだ立派な皇帝をなんと多く輩出したことか。これだけの長期間を新書版でよくコンパクトにまとめたと感心するが、作者があとがきで述べているように、結婚政策で国土を広げるとともに中世の華ブルゴーニュ文化によくなじんだマクシミリアン1世、太陽の没することなき帝国を、新旧両教徒の和解に腐心し、旅から旅の人生を送って巧みに統治したカール5世、諸改革を断行し中央集権化を図る賢明な女帝にして、国民と打ち解けた国母であり、家庭では慈母であったマリア・テレジア(王者らしくないとポーランド分割に最後まで反対したことを初めて知った)、そして民族主義の嵐の中で諸民族の鎹という重責を、次々に襲う家庭の悲劇にもかかわらず全うし、他民族が畏敬の念を失わなかったフランツ・ヨーゼフの4人が本書の中心をなす。そのため、三十年戦争など記載が物足りない所もあるが、それらのテーマについては他に優れた本があるので、そちらで補って下さい。各皇帝のエピソードも手際よく豊富に述べられている。本書全体を通じて、カール5世の「もっと先へ」とフランツ・ヨーゼフの「一致協力して」という人生の標語が心に残る。結局、ハプスブルク家による支配は今日の東欧問題の起源であり、かつその解決も示唆するものだったのである。最後に、他のレビュアーが指摘しているように、本書は実に読みやすく格調の高い日本語で書かれている。年表ともう少し系図と地図があればとも思うが、それらなしでも錯綜した人物間・国家間の関係がスッと頭に入ってくる。間違いなく、本書は名著である。
このレビューは参考になりましたか?
27 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
形式:新書
高校世界史でハプスブルク家に興味をもった高校生でも、難なく読める名著だと思います。
もっと年取った今でも、相変わらず読みやすい。

歴史本というと、著者の思惑に左右され、難解な表現が多かったり、色話の多い女性雑誌みたいな安い内容だったりで、なかなか期待するものに出会えないのですが、この本はとにかく、どんな人にもお勧めできます。

著者が、愛情をもってオーストリアやハプスブルク家を語っています。

このレビューは参考になりましたか?
28 人中、23人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
By yukkiebeer #1殿堂 トップ50レビュアー
形式:新書
 オーストリア・ハンガリー・チェコ・ベルギー・スペインそして新大陸アメリカにまでおよぶ「太陽の沈まぬ帝国」を築きあげたハプスブルク家を、その黎明から終焉に至るまで余すところなく短時間で通観できる教養書です。中央ヨーロッパのある有力者一族が「政略結婚」を繰り返すことで世界史に名を残すことになったさまを大変明快に知ることができて有意義な読書ができました。

 岩波や中公と比較した場合の講談社現代新書の特徴は「図版を多種掲載し、平易な文章で描く簡明さ」「テーマ設定の目線の低さ」「それでいて読者におもねらない高レベルを保っている」といったところにあるといえます。この「ハプスブルク家」はまさにその特徴を遺憾なく発揮している、抜群の面白さを持つ一冊といえるでしょう。

 なんといっても著者の文章の卓抜さは大いに賞賛に値します。例えば次のような一節が登場します。

 「この日の主役、皇帝カール五世は秋の陽をあびてまばゆくきらめくま新しい甲冑に身を固め、見事な鞍をおいた黒馬に微動だにせず騎乗して、凱旋将軍のような晴れ晴れしさで、アーヘンの城門をくぐりぬけた。」(86頁)

 大学の研究者が筆を執るとえてして衒学的で無味乾燥な歴史教養書に仕上がってしまうきらいがあります。ですが本書は流麗かつ品格ある文章が全編にあふれていて、歴史文学を読んでいるかのような昂揚感をおぼえるほどです。歴史を学ぶことの楽しさを著者自身が強く感じていることが手にとるように判り、それを少しでも多くの読者に伝えたいという意思が込められた文章が次々と繰り出されることに一種の爽快感すら味わうことが出来ます。

 長く読み継がれることを期待したい良書です。

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