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この作品の影響力は相当強く、フランスで一番人気のあるローマ皇帝をハドリアヌスにしたとさえいわれています。
塩野七生「ローマ人の物語」でも、文学作品として一級と評価しながら、ユルスナルの眼を通してしかハドリアヌスを見れなくなるのは危険であるように書いていたようです。この小説が歴史とそのものと間違わせるほどの喚起力・魅力をもつ証拠でしょう。
ユルスナールが作り上げたハドリアヌス自体の人格には魅せられますが、果たして歴史的事実にどれだけ近いか不安になるほどです。この沈着賢明現実的でありながら進歩的、しかも感情豊かな人格を前にすると、人生の教科書にしたくなる危険性さえあるのではないでしょうか?
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