中国映画界で旧正月興行にかける作品を撮る人は、映画界における国民的英雄といわれる。その栄誉を担う監督は、チェン・カイコーやチャン・イーモウのような国際的な評価を得ている巨匠ではなく、もっとドメスティックな人気を得ている人だ。ちょっと前までは『鬼が来た』で首切り人を演じていたチェン・チャンの息子でカリスマ的な人気を誇るチェン・ペイスー。そして、ここ3年ほどは中国映画にトレンディドラマのスタイルを移植したフォン・シャオガンが旧正月映画を独占して、中国の若者たちを夢中にさせている。この『ハッピー・フューネラル』は、2001年の旧正月に封切られたフォン・シャオガン作品だ。
旧正月というおめでたい季節に封切られる作品は、何故か葬式や幽霊がらみのものが多いが!、シャオガン監督は、中米合作、ドナルド・サザーランドやポール・マザースキーのようなハリウッド映画人も巻き込んで、中国的な葬儀の風習を東洋と西洋、2つの視点から描いてみせ、しかもまったく堅苦しいところのない、オシャレで笑える映画に仕立て上げてみせた。中国映画の元気さが、画面の隅々から伝わってきて、楽しいような、元気のない日本人としてはちょっと羨ましいような複雑な気持になるけれど、とにかく見終わった後ニコニコできる傑作です。