初めてこの本に出会ったのは小学生のときです。児童書の方だったけれど、この本に私は救われました。
できすぎる、綺麗過ぎる話だと思います。実際、こんな風にいい方向ばかりに進む現実は稀。しかし、本の世界としてなら、リアルを求めなくともいいと思う。大切なのは、いかに読み手の心に響くか、ということ。
私は小学生の頃、いじめにあっていました。私だけでなく、まるでゲームのように、次々にターゲットが変わっていった。そんな中、そのことをおもしろおかしく笑う子がいました。その子は、クラスのリーダーでした。私はその頃弱かった。反発する術も知らないし、勇気もなかった。これはゲームなのだから、仕方がない。誰もがそう思っていました。小学生なのに、妙に心が冷めている自分がいたんです。そんな時、この本にあいました。初めて読んだとき、涙がとまりませんでした。何故かは分かりません。けれど、勇敢に立ち向かうあすかの姿が、心に焼きついたのです。
私は思い切って先生にすべてのことを話しました。いじめのこと。どうしていいのか分からないこと。
先生は次の日、クラス会をして、すべてのことを皆に告げました。みんな泣いて、はじめて正直な気持ちをリーダーに言いました。そしてリーダーだった子も泣きました。後になって彼女もまた、あすかと同じ境遇の中、育ったということを知りました。
私はこの本をもう何十回と読みました。人にも薦めてきました。この本は、私と彼女を救ってくれた本。
人の心を救える本というのはなかなかありません。人によっては全く響かないかもしれない。それでも、読んでみる価値は、あると思います。