全てのアメリカ人の少年の原点ともいうべき作品だと思う。
本作品は、「トム・ソーヤの冒険」で、トム少年とともに海賊の金貨を見事に発掘し、そして少年にして大金持ちとなった天涯孤独な、野生児である少年の冒険物語である。
天涯孤独と書いたが、実は彼には飲んだくれで乱暴者で嫌われ者の父親がいる。彼は、その父親から逃れ、そして彼を教育しようとしてくれた大人の女性達から逃れ、自由を求め筏で川を下る。この冒険における彼の相棒は、黒人の奴隷「ジム」である。そして、旅の最後に、「ジム」は見事に奴隷から開放されて自由を得る。ハックはその手助けをするのである。
ハックは、規則を嫌い、束縛を嫌い、お風呂を嫌い、自由と友達を愛する。彼は、トム少年が頑なにこだわる手続きである!とか、規則についての理解力を欠き、そして無意味だと感じている。
本作品は、後に1970年代におけるアメリカンニューシヌマの数多くの作品がモチーフとした、主人公が自分の人生を求めてアメリカ大陸を旅する感覚の原風景であると感じられる。
やはりトム少年よりも、ハックの方が断然かっこいいな。