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5つ星のうち 5.0
「すべてのひとびとが花ふぶきのように笑いあう未来」への祈り,
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レビュー対象商品: ハッキョへの坂―河津聖恵詩集 (単行本)
他者との出会いの尊さを、鮮やかなイメージを通して感じさせてくれる詩集です。表題作「ハッキョへの坂」は、ある春の日にハッキョ(学校のこと、ここでは京都朝鮮小中学校)への小さな坂を上りながら、同じようにその坂を上って通学する生徒たちのことを思って書かれた詩です。その「出会い」の不思議、楽しさ、よろこびが伝わってきます。 「春の光に梢が煌めく/うれしそうに鳥たちがやってくる/鳥たちを呼ぶのは/輝く木のよろこび/光の 輝くことそのものにあるよろこび/長い冬にたえてすべてが輝きだした」とはじまり、「あなたが夢見るその風景を/私も見知っている気がするのはなぜか/私の中の母の そのまた母の中の母の/遥かな遺伝子が/いまもそこへはらはらと流れているのか」と、生徒たちとの出会いの不思議を語り、「風に肩を叩かれて/ふと透明な日本語を喋りやめふりむけば/ひらひら舞いおりながら/こぼせない涙のようになかぞらをたゆたう不思議ないちまいの花びら/もうひとりのあなたは/思わずてのひらを差しだし/花びらを受け止めまだ見ぬあなたに出会おうと/爪先立ちになる」そっと生徒たちによりそう。時空を超えたところからの生命の呼応が伝わってくる詩です。 他にもさまざまな出会いがこの詩集には綴られています。「ムグンファ――一人無声デモをする友のために」「チンダレ――空と風と星の詩人に」「ひとは一つの詩とともに生まれてくる」「シモーヌの手――シモーヌ・ヴェイユ生誕百年」「海氷原――辺見庸が語る写真家ジャコメッリ」「アネモネの糸――光栄さんに」「美しい女が散逸していく――追悼・山田英子』「私たちの生があなたのドアを叩く――倉田昌紀さんへ」他。 ひとつひとつの詩の言葉に生命が宿り、その生命が読む人に力を与えてくれます。理解しようとするのではなく、イメージを自分の中に透過させるつもりで読まれることをお勧めします。
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