私は将棋は基本的なルールしかわからない素人なので、もっぱら物語としての側面、濃いキャラクター、繰り出される名言・奇言に魅かれて読み続けています。 そういう面から見て、この巻は今まででも1,2を争う素晴らしい内容だと思います。 本棚が狭いので、読んでしばらくしたらBOOK・OFFに売るのが常なのですが、この巻は取っておきます。 以下、ネタバレあり。 この巻では、千鳥チコVS谷生卑弥呼戦の決着がつきます。 命を削って強烈な一手を繰り出すチッチ、一瞬ビビりつつも、負けじと強靭な受けを見せる卑弥呼さま。 チッチの回想、モノローグ、セリフすべてが本当に熱く、強く、切ない。谷生への想いが伝わってきて、胸が苦しくなります。 「ほとんど全部…将棋より…覚えてる アンタのパパが…大好きだった」「アナタとのあの…たった数年が…アタシの人生のすべてだった」「会…会いたいな…」「誰にもわからないよ 一瞬でも…この瞬間…ココにもどれた"幸せ"は…」 本当に心から、谷生のことが大好きだったんだなぁ、と思いました。 こういう風に心底人を好きになった経験がある人は、特に感情移入できるのではないでしょうか。こういう"幸せ"は、この話のように、往々にして破滅を伴うので、私はもうご勘弁願いたいですが(笑)