今さら言うのも何なんですが、菅田たちが鬼将会ビルに入ってからのハチワンは本当につまらない。それはもうガッカリするほどに。
相変わらず勢いだけはあるものの、とにかく味方側のキャラクターたちが強すぎて負ける気がせず、肝心の緊迫感がありません。菅田はハチワンシステムという謎の万能戦法を編み出してスキがなく、受け師のそよもいまだに底の見えない強さ。澄野・文字山・右角らも十分以上。こんな連中がチームを組んで、ザコを一方的に蹴散らすばかりの展開をどう楽しめというのでしょう。野球漫画にたとえれば、試合が始まった次のページで20点差のコールド勝ち、そんなことの繰り返しです。
その一つの象徴がこの巻で登場するチッチというキャラクターです。彼女はなかなかユニークなライバルキャラとして現れ、受け師・そよと対決します。しかし実際にはろくに詳しい局面が描かれることもなく、ほんの数話で対局は終わってしまいます。
初期のハチワン、特に5巻くらいまでのハチワンは一局一局を濃密に描き、将棋の分からない人ですらも熱中させる力がありました。将棋の濃さとキャラクターの濃さ、それを両立してこその「ハチワン」であり、そうして様々な漫画賞を総ナメしてきたのです。
今のハチワンは、突飛なキャラクターのリアクションを見て楽しむだけの漫画へとすっかり堕してしまいました。どちらが勝つかほぼ予想できるうえその内容が描かれない勝負になど、私は興味はありません。