みなさんの言うように、8巻と9巻の間にもう1巻入れるべきなんじゃないかと思うほど急激な展開です。
森田家のエピソードを象徴とした「才能」や「羨望」の人の闇の部分は、作者の書きたいテーマだったのだろうと思います。
美大はそんな感情の渦中にあるものです。
竹本のように目的の見えない漠然とした気持ちの人間、はぐのように宿命を背負う人間、森田のような全ての才能を持ち合わせる人間、真山のように外の世界の現実を見ている人間、あゆのように友人を遠くに感じた人間…。
様々な人間が表現することを通して、葛藤しています。
人の闇の部分を突然描かれたように思いますが、作者が美大を舞台にしたところから描きたいと思っていたエピソードなのでは?と思いました。
はぐの怪我もまた突然のように感じますが、そんな闇の中での、あゆがはぐを思う気持ちや、竹本のはぐではなく自分を悲劇の主人公にすり替えていたことに気づく様はとても美しく思えました。
様々なひとに愛された作品だっただけに、もっとゆっくり描くことで、このラストを好きになれなかった読者をもっと説得出来たら良かったのにと思います。
それが残念だけど、この作品の放つ輝きは変わらないと思いますよ。