東京での八年続いた愛人生活が終わりを迎え、雪降るふるさとに帰ったほたる。そこで彼女を待ち受けていたのは、変わらない川の流れと懐かしくも愛しい人々の優しさだった。失ったもの、忘れていた大切なものを彼女はゆっくりととりもどしていく――。特別で平凡な「癒し」を描いた静かな回復の物語。
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人をいとおしいと思える気持ち。
何度読んでも切なくなります
ほたるにはミツルくんとの出逢いやるみちゃんとの再会や、そこから始まる奇跡的な出来事があって、ゆらゆらと浮上できたけれど、それは余りにも奇跡的過ぎて、まともに考えたら現実世界の人間には何の足しにも気休めにもならないくらいバカバカしい物語のはずなのに、言葉の持つ不思議な力がありったけ発揮されていて、現実世界にいる読み手にもちゃんと湧き上がる力をくれます。「私にもほたると塊??じような出来事が起きたら立ち直れる」とかいうような力じゃなくて、ちゃんと自分の心の力で動き出せるような湧き上がる静かな力。
ほたるが、奇跡的な出来事の助けを貰いながらも、「そして突然、わかった。」と大事なことには自分自身でひらめくように気づいたように、読み手にとってはこの物語が奇跡的な出来事となって、大事なことに自分の力で気づいてゆけるような物語です。言葉を愛していたはずなのに、いつの間にか言葉に悲観的に陥って抜け出そうともせずにいたけれど、言葉の持つそんな不思議な力を思い出させてくれて、ほんとうにすんなり信じさせてくれます。
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