『ギンイロノウタ』で、”殺したい”衝動を抱く少女の心理を細やかに描いて野間文芸新人賞を受賞した、村田沙耶香さんの新作。
女であることへの違和感から離れられないフリーターの里帆。彼女のバイト生活に関わってくるのは、典型的な「女らしい女」にあえて当て嵌まろうとする年上の椿と、その友人で、宇宙とつながることをイメージしてオルガスムを感じるという知佳子――。
女性をしんどくさせてるのは、自分の頭の中に作り上げてしまった思い込みの「女らしさ」なのでは?
読み終えると、その既成概念の壁が、みるみる打ち崩れていきます。
さらに、セックスを表立ったテーマとして描いていますが、書かれていることはセックスに留まりません。「そういうものだから」というふうに、ときに思考を停止させてしまう”常識”について、根源から問い直す試みとしても読むことができます。とても知的で刺激的な小説です。
松浦理英子さんの『ナチュラル・ウーマン』と合わせて読むことをおすすめします。