本書は、原書のうち前書「ハインズ博士超科学をきる」に訳出されなかったものを収録している。
そして、前書と本書で、原書のほぼ全部が紹介されたことになる。
本書で特徴的なのは、いわゆる「代替医療」といわれるセラピーについて収載されていることだ。
さらには集団ヒステリーというくくりで、アスベストやPCBについての必要以上な騒動について警鐘をならすとともに、電磁波などの疑似科学、ネッシーやイエティなどのUMA、UFOやエイリアンなどについての怪しいはなしについて、いかに科学的でないか、科学的にどうとらえ、考えれば良いのかが述べられている。
残念なことは、取り上げられている項目数が多い分、個々の項目についての掘り下げ方に物足りないものがある、という点だろう。
また、一般科学書という雰囲気を印象づけるためか、かなり翻訳調の文章である。
そして、おそらく原文がかなり学術的に記されているためだろうが、本書の文章もまた、学術的な文章の調子なのである。
だから、講談社のブルーバックスを軽く読みこなせる程度の人にとってはそれほど難解ではないだろうか、文化系のひとにとっては、取り上げられている項目、話題のわりには、けっこうとっつきにくい、そして読み進めるのに少し努力が必要かもしれない。
しかし、20世紀末以降、本書と前書で述べられているような疑似科学が広く蔓延している。
それはマスコミのインテリジェンスの劣化とともに、科学者たちの姿勢にも責任があると思う。
今年の震災による原発と放射能をめぐるさまざまな欺瞞、疑惑と不正が、それを象徴している。
だからこそ、今、本書を読む意味がある。