シンクロニシティSynchronicity。意味のある偶然の一致のことで、日本語訳では「共時性」。物語の中の言葉を借りると、「あまりにもありえなくて、神の意志が働いているように思えることが同時に起こってぶつかり合うこと」。妖精の女王イーヴィールの紡ぎだす運命の糸が、実はこのハイランダーシリーズの柱なのです。ハイランドに集結したマッケルターの男衆は、ドゥルスタン、ダゲウス、そしてこのキアン。女王によれば、あと二人、加わる予定とか。(本作は2005年に刊行され、続編は未だ執筆されていないそうです。…ええっ、続編匂わせて、うっちゃりかませないでください〜)
ハイランダーシリーズ第7弾。
前作『ハイランドの呪われた王子』から約一か月後のお話です。
ハイランドに平和が訪れることは、あるのか?
まだまだ波乱万丈なケルター城です。
場面は、前作と同じ場面、つまり、アダム・ブラックとダゲウス&クロエと、影に滲む妖精の女王から始まります。
女王の運命の糸が世界を調整するべく展開されていく、シリーズの柱にふさわしいプロローグです。
悪の妖精の遺物の一つ、闇の鏡に囚われた9世紀のハイランダー:キアンがヒーローです。
この傑出したドルイドは、マッケルター兄弟を「弱小ドルイド」だと言い放つほどに、無類なき傲慢尊大ドルイド。
そんな彼が1033年ぶりに接触できたのは、アメリカの女子学生:ジェシー。
二人の残り時間は、20日。
時限ロマンスって、…ハマりますっ。
お互いに圧倒的な結びつきの強さを感じながらも、キアンはジェシーの安全確保を第一に考えます。
そんな俺様キアンが、愛おしい!
シカゴからスコットランドへと舞台を移しながら、注目すべきは、この二人の真剣だけれど妙にコミカルな事件の数々。
無敵キアンは鏡から一定時間だけしか抜け出すことができません。
そこで引き起こされる普通人ジェシーと外界のトラブル。
ジェシーのパワフリャーな獅子奮迅の活躍に、思わず、笑!
特にエジンバラの空港での貨物騒動、楽しいです。
その後、物語はマッケルター兄弟との接触を経て、悲劇ロマンスの香りを漂わせはじめて…。
とにかく。
物語の展開の機敏さに、文字通り、ページをめくる指が止まりません。
シリーズを通した柱が明らかになった今作。
筆者の仕掛けたエピソードの数々に、にんまり。
もう一度、シリーズを最初っから読み直してみよう、そんな物語です。