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「緑は危険」や「はなれわざ」など、張り詰めた緊張感の漂う後からの作品と比べると、まるで別人のミステリかと思うほど作風が違っています。訳文や、舞台となる衣裳店、モデルや販売員など出てくる女性はみんな美女という華やかさきらびやかさなどの影響もあるのでしょうが、後期の作品のほうがミステリの名作として通っいているので、作者名を見ないで読んでクリスチアナ・ブランドの作品だと当てられる人はいないのではないでしょうか。同じ女流ミステリ作家、マーロン弁護士シリーズを書いたクレイグ・ライスのユーモア・軽妙さに似たものを感じます。
謎やトリックなどはそれほどのものでもないのですが、探偵役をちょっと頼りない刑事にすることで推理を二転三転させ、最後まで犯人あての興味を失わずにいます。
後の作品のような鬼気迫る凄み、ハッと息をのむような迫力には欠けますが、デビュー作にして作者の才能の片鱗をのぞかせた、ちょっと小粋なユーモアミステリといったところでしょうか。
舞台は華やかな一流婦人服店。店員やモデルは美女ぞろいで、新規に開店するフランス支店長の座を巡って熾烈な競争が行われている。ところが殺されたのは支店長に落選した女性で…。
オーナーをからめた愛憎関係が事件の鍵で、このあたりの人間関係を緻密に描き出す筆致は、ブランドの力を感じさせる。ブランドらしさを期待するとがっかりするが、推理小説としては上々の作品だろう。
毒薬として蓚酸が使われるのもいい。
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