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2 人中、2人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
近未来最先端の科学技術と、和製SFらしい“神がかり”とを融合させた大作,
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レビュー対象商品: ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) (単行本)
’05年、「SFが読みたい!」国内編ベストSF第4位にランクインした、藤崎慎吾の、構想に5年、執筆に3年を費やしたといわれる2000枚を超える大長編。「2032年、奄美大島から与那国島にわたる南西諸島に、未曾有の地殻変動によって沈没の危機が迫る。」こんな予備知識で読み始めた。すわ『日本沈没』『死都日本』『深海のYrr』を彷彿とさせるパニック巨編か、はたまたハリウッド映画ばりの大災害エンターテインメントかと思っていると実は、テクノロジーや災害の悲惨さを超えたところを描ききった物語だった。 なるほど深海調査船<しんかいFD>をはじめとするハードウェアや、この危機を食い止めようと独自のISEIC(圏間基層情報雲)理論を元に6人の異なる分野の科学者たちが乗り出す。またそればかりではなく、進歩したさまざまな未来の科学技術・理論を興味深く読むことができる。 しかし物語の主人公は「色を聞いたり音を味わったりすること」ができる“共感覚”をもつ青年岳史と、与那国島で神の声を聞いたり、雨乞いの儀式で「本当に雨を降らして」しまうことのできたりする若い“ムヌチ(巫女)”柚である。彼らが‘神の遣い手’となり、島々を救おうと煩悶し、そして自らの幸せを願うのだ。最終的には科学者たちも彼らの“能力”に頼ることになるのである。そこには前述の諸作品にあるような政府や軍の関与やスケールの大きい凄惨な描写は最小限に抑えられており、伝奇小説の趣さえ漂う。 本書からは、藤崎慎吾の科学ジャーナリスト出身らしい豊富な知識と綿密な取材に加えて、日本古来の“神々の領域”に踏み込んだ豊かな想像力を読み取ることができる。 ともあれ本書は、リアリティあふれる近未来最先端の科学技術と、和製SFらしい“神がかり”とを融合させた大作である。
6 人中、4人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 3.0
まとめるだけでイッパイイッパイ?,
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レビュー対象商品: ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) (単行本)
後半はソツなくまとめた感じ。上巻で散りばめられた素材が、ほぼ予想通りに展開していく。もう一波乱あっても良かったのではないか。ひきこもりの柚の兄は、敵役としては存在感が大きかっただけに、早々に自殺させてしまったのが惜しまれる。血縁の定めについても、主人公があっさり受け入れすぎの気がする。上巻の緊張感の高さを、作者が維持しきれなくなった感がある。確かに書き上げるのに苦労しただろうと思わされる力作。読み応えは十分。
5つ星のうち 4.0
最後が惜しい。,
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レビュー対象商品: ハイドゥナン (下) (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション) (単行本)
作者はよく破綻させずにこれを書いたと思う。登場人物群が4つに別れているので、視点が1箇所じゃないところがいい。それぞれの状態、背景がよくわかるような書かれ方がなされている。沖縄トラフの地殻変動、共感覚(これを持った主人公は、自分が統合失調症ではないかと恐れているが)、量子コンピュータ、深海の微生物、与那国島の神、カンダーリ、海底噴火、南西諸島沈没の危機、エウロパの生命、そして周辺諸国との軋轢などなど、なかなかおもしろい。ただ、地球科学(地震・火山・プレート関係)の知識がないと、ややわかりにくい作品だと思う。 「ハイドゥナン」とはどこなのか、南西諸島の沈没の危機はどうやって救われるのか。大体の結末を予想しながら読み進めた。が、最後が惜しい。ハイドゥナンについて、もう少し物語の途中で何度か描写があったら・・・・・。
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