作者はよく破綻させずにこれを書いたと思う。登場人物群が4つに別れているので、視点が1箇所じゃないところがいい。それぞれの状態、背景がよくわかるような書かれ方がなされている。
沖縄トラフの地殻変動、共感覚(これを持った主人公は、自分が統合失調症ではないかと恐れているが)、量子コンピュータ、深海の微生物、与那国島の神、カンダーリ、海底噴火、南西諸島沈没の危機、エウロパの生命、そして周辺諸国との軋轢などなど、なかなかおもしろい。ただ、地球科学(地震・火山・プレート関係)の知識がないと、ややわかりにくい作品だと思う。
「ハイドゥナン」とはどこなのか、南西諸島の沈没の危機はどうやって救われるのか。大体の結末を予想しながら読み進めた。が、最後が惜しい。ハイドゥナンについて、もう少し途中で何度か描写があったら・・・・・。