20世紀を代表する哲学者のひとりハイデガ-。未完かつ矛盾に満ちた失敗作と言われながらも、同時代およびその後の思想界に圧倒的な影響を及ぼしたその主著『存在と時間』の成立過程を鮮やかに描き出した力作。1927年夏学期に、マ-ルブルク大学で行なった講義「現象学の根本問題」をアリアドネの糸にしながら、『存在と時間』の構成を丹念に推理・分析してゆくその手法は、さながら一篇のミステリ-を読み解いてゆくようなスリリングな興奮を喚起する。すでに『存在と時間』を読破した人はもちろん、これから同書を読んでみようと思っている人も、一読すべき名著だと思う。とにかく面白く、有意義な著作だ!