本作は「サイドウェイ」や「アバウト・シュミット」などの作品で実力派としての評判が高まっているアレクサンダー・ペイン監督のデビュー作です。
とは言え「キューティー・ブロンド」でブレイクしたR・ウィザースプーンがそれ以前に注目を集めた作品と言う方が通りが良いかも知れませんね。彼女、コメディエンヌとしてブレイクしてしまったわけですがそれ以前から「演技派」としてひじょ~に期待されていた才媛。
確かにこの映画や「カラー・オブ・ハート」を見ると他の若手女優とは違ったものを感じますね。とうとう今年「ウォーク・ザ・ライン」でオスカーもとったわけで人気実力共にトップ女優となりましたね。
とは言えそんな彼女を期待してこの作品をみるとかなりショックを受けるかも。
はっきりいって彼女の演じるこの映画のヒロインはとんでもなく「嫌な奴」なんです。いびつに肥大した野心を支える明晰な頭脳も備わった優等生。自分の望むものを手に入れるためならばどんな方法でも正当化してしまう姿は正直言って「見苦しい」。世の中でのさばるのはそういう人物であるというのもある意味、事実なんですね。
しかし何がすごいと言ってこの彼女、自分が嫌な奴だとは思ってもいないどころか人からも好かれていることに揺るぎのない自信を持っているんです。これを説得力をもって演じるのは並大抵ではないと思うのだが彼女、完璧です。
で、このヒロインの偽善に嫌悪感を覚えてそのネメシスとなるのがM・ブロデリック演じる信望あつい教師なわけですが・・・ある意味こっちの方の情けなさが見ていて一番痛い。特にモーテルで不倫の相手を待ってそわそわしているシーンとか本当に男の卑小さが露骨に出ていて・・・。
必ずしも楽しいコメディではないけどコメディの形を借りながら中々考えさせられる点の多い作品ではあります。やっぱきれいなものばかり見てちゃダメだよね。