このやけにキラキラした表紙の本書は、2008〜09年に『ヤングアニマル』とその増刊において連載された「ネトゲ廃人」漫画を単行本化したものである(したがってオタクへの世間の偏見がデフォルメされた形で表れるのだが、まあギャグ漫画なんで)。主人公の女子高生小川ユウコは、現実よりもオンラインRPG「ファイナルクエスト」にハマってしまった、友達以上恋人未満の京介(ゲーム界のデスキング)を現実に連れ戻すため、自らもRPGの世界に飛び込む。ゲーム界での生き残りのために、ユウコは何とか伝説の剣士マサトと大賢者ナツメを仲間として獲得し、京介探しの旅に出る――というのが本書の筋なのだが、結局そこに登場する人物が皆、揃いも揃ってゲームの世界に現実逃避しているダメ人間=ネトゲ廃人ばかり、という情けない漫画がこれである(一人まともな勤労少年もいたが)。したがってこの漫画では、ゲーム外の現実世界とゲーム内の世界とが並行して進み、ゲーム内の世界が現実世界の都合によりさまざまな干渉を受け、無様に歪んだ展開を見せることになる。このネットゲーム空間における二重化されたコミュニケーションのギャップが、本書の最大の見所である――のだが、こんな文章を読むよりも、まず読むことをお勧めしたい。それにしても、近所の本屋で見つからないとは、この漫画は売れてるのか?