CDが届いて聴きました。恍惚とする時間が過ぎ立て続けに3回も聴いてしまいました。すっかりこの作品の虜(とりこ)です。学生時代からJazz Pianoを始め、オーケストラ・アレンジも手がけて四半世紀が過ぎようとしている私ですが、この作品の極めつけの美しさにただただ陶然とします。
話題の人ですからMehldauやJoshua RedmanのCDは全部購入してますが「上手いなぁ」とは感じるものの、「(しみじみと)いいなぁ〜」とか「最高だなぁ」と感じることはありませんでした。しかしMehldauはこの作品で初めて自分が本当にやりたい音楽を100%形にできたのではないでしょうか。またRedmanはこれまでテクニックのひけらかしとも思える散漫な演奏が多い印象でしたが、ここではひたすら音楽のコアに集中して内なるエネルギーを静かに楽器で表現できているという点でベストパフォーマンスのひとつと感じます。
「トリオ・フォーマットでのインタープレイが薄い(私の耳にはこの作品でもとっても濃く感じますが)」とか「ジャズ本来のスリリングさに欠ける」「Jazz度が低い」ということは私にとって(たぶん本人達にとっても)どうでもいいことで、ただひたすらこの飛び切り美しい音楽に浸れて幸せこの上ないです。
「(フォーマットに関係なく)ただ美しい音楽を作り上げたい」というMehldauの想いは、ライナーノートに自身が残しているメッセージに表われている気がします。
”This album is dedicated to my son, Damian Patrick Mehldau, who was already brought me so much joy. - Brad Mehldau.”
『ジャンルに関係なく極上の音楽に触れたい』向きには大推薦できる傑作です。