- 演奏: グルダ(フリードリッヒ)
- 作曲: ショパン, シューベルト, J.シュトラウス, グルダ, モーツァルト他
- CD (2004/11/17)
- ディスク枚数: 1
- レーベル: ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル
- 収録時間: 54 分
- ASIN: B0002ZEZWM
- おすすめ度: 5つ星のうち 4.4 レビューをすべて見る (5件のカスタマーレビュー)
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このディスクは,グルダの晩年の演奏会の模様(ミュンヘンにて)を収めたもの。とはいっても,「円熟」や「渋さ」といった言葉とは無縁で,相変わらずの溌剌として切れ味鋭い演奏を聴かせてくれる。
グルダに料理されるのは,まずは自作の「フォー・リコ」。冒頭から,何か楽しいことが始まりそうなワクワクした気分になる。
次いで,やはり自作のチェロ協奏曲からの「メヌエット」でちょっとメランコリックな気分にさせ,モーツァルトの「幻想曲」へと続く。この両曲の間の即興的なフレーズが,全く異種の音楽の間を見事に架橋する秀逸なものであって,この演奏会でのジャンルを軽々と超えた変幻自在なグルダのパフォーマンスを象徴している。
ショパンの舟歌,夜想曲も,ルービンシュタインやホロヴィッツで聴かれる若干感情移入過多で厚化粧な演奏(こういった演奏もそれはそれで魅力的なのだが)とは異質で,曲そのものから導かれる自律的な魅力を活き活きと紡ぎ出しており,グルダ特有のリズムやテンポの揺らぎも相俟って,他では聴かれない魅力的な演奏となっている。
他にも,静の「アリア」,動の「プレリュードとフーガ」の対になった演奏に続いて,今度は,動の「ビーニョの門」,静の「亜麻色の髪の乙女」が対になって演奏される等々,選曲の妙と演奏の鮮やかさを語り出すときりがないが,私のお気に入りは,喜歌劇「こうもり」からの「お客を呼ぶのは…」から始まる3曲。ウィーンっ子ならではの,小粋な感性と絶妙なテンポ感とで,楽しく活き活きとウィーン情緒を味わわせてくれる。
「現代世界はジャズを求めているのであって,死んだ作曲家たちではない」との言葉を残してクラシック音楽から飛翔していったグルダであるが,このディスクでは,純粋に音楽好きな人を存分に堪能させてくれる。クラシックファンのみならずジャズファンにもお勧めできる1枚。
(追記・グルダには,ベートーヴェンの「ディアベッリ変奏曲」という素晴らしいディスクもあるのだが,現在廃盤の模様である。是非,再発売を期待したい。)
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