愛せないのなら
生きている意味は無い。
それは
だれもが思う究極の愛の形。
愛せないが故の苦しさはきっと並のものではないと思う。
死を選んでしまうのか
もがきながら
再生に向おうとするのか。
なんども原作を読みましたが
映画も悪くないと思います。
原作をテイストを残しつつ
映画は映画としての味わいがありました。
たとえば映像の優美さとか
当時の雰囲気を伝える背景や小道具など
人数をかけた画面の賑わいや迫力
どれも最近の邦画にはみられない重厚さだと思います。
あと
小説を読んでいる時に想像した場面が
裏切らないものになっているのも驚きでした。
当時の大学
学生寮
京都の山奥
など
個人的な想像と映画の画面が合致していたのです。
日本小説の金字塔を原作にして
果敢にも映画化に挑んだスタッフの意気込みに拍手。
並々ならぬこだわりや
細部まで手が行き届いている感が伝わります。
ビートルズの楽曲を使えたというのだけでもすごいと思うし
レコード店長や
大学教授のキャスティングにも
手抜きはありません。
中でも
菊地凛子の圧倒的な佇まいは必見です。
原作よりも直子の苦悩が激しく表れていると思うのです。
しかし
しかしながら
原作を読んだものにとっては
今ひとつ感は残るでしょう。
「お葬式」がないことが決定的でした。
個人的には突撃隊のちょい役的な扱いも残念。
あとは原作のもつ一種の気怠さがない点も。
原作を読んでいない人なら
展開の早さについていけないんじゃないかな、と。
なんだかいろんなことが
唐突に展開するストーリーに映ってしまうのかと思います。
単独で秀作とはいえないけれど
この映画が存在する意味は大きいと思います。
邦画の行く先に選択肢が増えた様な気がするのです。