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520 人中、415人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
駄作/名作,
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レビュー対象商品: ノルウェイの森 上 (講談社文庫) (ペーパーバック)
村上春樹の小説は「駄作」か「名作」かという両極端な評価に分かれることが多いようです。本作もその例に漏れることなく、やはり評価は賛否両論ですが、事実として「ノルウェイの森」は、ノーベル文学賞候補に毎年選ばれるほどの作家の代表作であり、世界の各国でベストセラーになるほどの小説であるわけですから、本質的に「名作」なのか「駄作」なのかはさておき、それだけの「魅力」が、小説内のどこかにあることだけは誰にも否定できないことでしょう。 「駄作派」の人たちには、夏目漱石や谷崎潤一郎などの、日本文学の名作と呼ばれる小説に数多く触れ、読書経験が豊富で、いわゆる「文学通」といわれる方が多いようです。 否定の方法も、「展開や登場人物の行動に根拠がない」や「過去の名作のような深みがなく薄っぺらい」など、自分の文学観に照らし合わせた意見がほとんどで、平たく言ってしまえば「私にわからないのだから、面白い訳がない」という気持ちが、「駄作派」の大部分を占めている本心のような気がします。 逆に「名作派」の人たちには、あまり文学に詳しくない方が多いようで、「何だか分からないけど、面白い」という無邪気な感想が頻繁に見受けられます。 ここで注目したいのは、文学に詳しい人たちは小説の魅力を理解できず、そうでない人たちには、理解できるという、逆転の現象が起こっていることでしょう。 とにかく「駄作派」の、否定の調子の激しさはすごいもので、留まるところを知りません。 もはやそれは悪意と言ってもよいほどで、その矛先は作品を飛び越えて、著者本人、果てには、小説を肯定する読者にまで及ぶ勢いです。 しかし「名作派」の人たちは、とりたててそれに反論する様子もなく、自分の周りに壁を張り巡らせて、ひそっりと、ひとりで小説を楽しんでいるような、そんな風情です。 そこには、まさに、「根拠のない悪意」と「自閉」という、村上春樹の小説世界そのものの図式が浮かび上がってくるようです。 村上春樹氏は「日本文学には残念ながら僕が求めているものはなかった」というニュアンスのことをどこかに書いていますし、人の情念をどこまでも深く追究して表現しきる、日本文学の伝統ともいえる名作の数々には、確かに惚れ惚れするものがありますが、単に、著者はそこを目指してはいない、ということでしょう。 「駄作派」の方々には、著者が表現しようとしているものは何であるのかを汲み取ろうとするやさしさが、もう少しあってもいいように思いますし、「名作派」の方々には、自分を惹きつけるものは一体何なのか知ろうとする意志を持ち、「駄作派」の人たちの土俵に、多少なりとも歩み寄ろうとする、そんな勇気も必要なのでは、と思います。 そして、ちょうどそのあたりにこそ、村上春樹の表現したいものも、あるのではないでしょうか。
63 人中、50人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 1.0
恥ずかしくて読めなかった,
By 乃 "乃" (東京都) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ノルウェイの森 上 (講談社文庫) (ペーパーバック)
見覚えのある、赤と緑の表紙。当時、気になっていたけれど手にしたことがなかった小説でした。 今回は映画化ということでトライ。 が。 とてつもなく読みにくかったです。 難しい言葉や漢字を使っているわけではないのだけど、描写説明がくどい。 ちょっとノスタルジックな表現に雰囲気。 でもそれがあけすけで、 「この人、相当自分が好きなんだなア」と思いました。 自分の好きな言葉や空気感をだすことは大切ですが、それが最初から多すぎると飽きるというか。 発売当時は時代にあっていたのかもしれませんが、2010年に読むとなると厳しいです。 とにかく言葉が恥ずかしかった〜 「こんなに説明しなくてもわかるよ!キャー、やめて〜」と叫んでしまいました。 なので上巻の冒頭しか読めずに断念。 すみません、すみません。
149 人中、117人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
説明困難の不思議な魅力,
By 山田晃嗣 (神奈川県横浜市) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ノルウェイの森 上 (講談社文庫) (ペーパーバック)
どこで読んだかは忘れたが、村上春樹は自身が飲食店を経営していたときに得たノウハウとして 「飲食店が繁盛するコツ」をエッセイに書いていた。 曰く「10人のお客さんが来たとして、10人全員にそこそこ気に入られるより、 9人に嫌われても良いので1人に猛烈に気に入ってもらえたほうが良い。」とのこと。 その猛烈に気に入った一人はその店のリピーターとなり、 さらに口コミで人を連れてくる。 口コミで店に来た人の何人かは、またさらにリピーターとなるらしい。 「繁盛=ベストセラー」を意識しているかどうか不明だが、 彼の作品は明らかに 「多くの人は拒絶反応を示すが、一部は猛烈に好きになる」 と言った類のものだろう。 そう言う私も、この「ノルウェイの森」をきっかけに 春樹リピーターとなった1人だが、 拒絶反応を示したレビューが予想以上に多いことも興味深い。 確かに村上春樹の何が良いかを説明するのは難しい。 逆に「良くないところ」を説明するのは簡単だ。 物語に脈略がない、簡単に人が死ぬ、意味不明なセックス、、等々。 それにしても、私を含めた多くの人が魅せられるのか? ひとつ確実に言えるのは、流れるような文章表現力だろう。 例えとしては苦しいが、音楽を楽しむように 我々は読解を楽しんでいるのではないか。 音楽にも歌詞やメッセージがあるが、 それよりも心地よい音の流れそのものを楽しんでいるはずだ。 同じように私たちは、物語やメッセージよりも 村上春樹の心地よい文章の流れを楽しんでいるのではないだろうか。
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