ロード・ムービーというジャンルでは、長いこと「パリ,テキサス」と「テルマ&ルイーズ」、それに「プリシラ」が個人的にベスト3だったのですが、その中に割って入ってきそうなのが本作です。
封切り時に見てとても気に入っていたのですが、非常に廉価でDVD化されていたので速攻で購入、10年ぶりくらいだと思うのですが、やはり感動しました。
本作はロードムービーの中で「逃走型」とでも言うべき分類に入るかと思います。警察・裏組織に追われる中、それでも自分たちのなすべき事・したい事を遂げつつ、旅を続けます。
追う側が少々間抜けすぎる、あるいはエキセントリック過ぎる感じもありますが、リアリティを追求したクライム・ムービーでは無いので(ある種寓話的なお話ですので)、これはこれでよいのでは。
あ、裏組織の移民の人がダブルハンドで拳銃をぶっ放すシーンはいいです、なんか笑えます。
ネタばれになってしまうので詳しく書けませんが、裏組織のボスとの面会シーンからラストシーンへの繋がりは見事です。
そのラストシーン、粒子の粗い画面のなか、どこか不吉に白波立つ海の映像は、どこか絵画的な美しさです。砂浜の主人公2人を背後から撮っているのも、抑制が効いていて、余韻を深めます。
ところで、死を目前にした2人の「海を見たい」という単純すぎる目的、旅の動機としてとても説得力があります。これだけで主人公2人は純化され、その旅がしかるべき終点に至ることを約束しています。 設定上、ハッピーエンドにはなり難く、切ないラストなのですが、観た後はどこか清々しい気持ちになれます。