今回のソロ作を迎えるにあたり、オアシス後期のノエルの作品からして「いかにも」といった具合に60・70年代を表現している曲がほとんどだった近年。キャッチーな部類といえるショックオブザライトニングでさえも、サビといえる部分があるか?と訊かれれば何とも答えるのが難しい構成の曲だったと感じています。
「前ほどメロディックではないけれど、ノエルのこういうのも意外とありだな」と思わせるような表現の曲がほとんどだった(個人的には)ので、あえて「最高の期待」はせずに今回の作品を待っていました。
しかも、リアムのBeady Eyeがこれこそ意外なほどの美メロと全快なロックンロールのコントラストを見せ、自身作の「Wigwam」等の曲はライブで完全にアンセムへと昇華させていたからです。
そんな中でリリースされたノエルの初ソロ作品。まず1曲目でやられました。デモ音源がyoutubeに出回っていましたが、ここまで化けるとは…。デモ音源の時点でそこまで名曲といえるようなメロディだろうか…というのがその当時の感想でした。しかしこの完成版はデモよりも若干テンポアップし、後半からの転調により、2コーラスまでのロック寄りなサビからノエル節ともいえる美バラードへと変身します。思わずニヤっとしてしまいたした。これぞノエルの名曲でした。しかも、確実に進化した形で届けてくれました。
軽快でマイナー調のポップdream on、magic pieのようなイントロのサウンドから優しさ溢れるif I had a gun...、importance of being idle進化版のようなシングルdeath of you and meを経て
こちらもデモ音源が出回っていた「record machine」。デモの段階ですでにシングアロングな名曲でしたが、アレンジでさらに良くなりました。まず、キーがひとつ上がったことで必然的にメロディの力強さが増しました。そして今回のアルバム全体を覆っているストリングスとコーラスがここでも良い仕事をしています。オアシスを彷彿させるの大きなサビなのですが、それとは少し違い、溢れ出すような、柔らかな高揚感を与えてくれます。
ここまでで、正直に期待をはるかに超えてくれました。しかもノエル本人がスタジアムロックは自分の声に合わないと言っていた通り、ノエルの声に合う作品ばかりです。リアムが歌ったら…というようなムダな想像をせずに割り切った作品として楽しむことができます。後半の5曲は是非CDを聴いてからのお楽しみとしていただきたいので割愛させていただきます。
Beady Eyeは後期のオアシスよりはずっと明確な方向性で、かつ全曲でリアムの歌が聴けるというリアムファンとしてはたまらないものがあったと思います。
そしてノエルはノエルで、とてもクラシックな、でもノエルにしか歌えない、しかも進化した形の名曲を届けてくれました。
オアシスの解散がもたらしたひとつの奇跡だと思えます。ノエルのソロ作品、期待を大きく超える名作でした!
最後に、日本盤のボーナストラックに「Good Lebel」が入っているのは見逃せません。シングルdeath of〜のB面曲ですが、アルバムに収録してもよかったのでは?と素直に思えるポップな良曲で、オアシスを良く知っている人にはとても懐かしい気持ちにさせてくれる曲ではないかと思います。この曲のために是非、日本盤をオススメします。