ヒーローと呼ばれる人も、一人の人間、ということがよくわかる。
この事実が、どうしてなんだろう、とても励ましになる。
悩む、悲しむ、考える、喜ぶ、悲しむ、人として当たり前のこと。
マンデラという世界的ヒーローにもこういうことがあったと知るこの1冊は、私たちひとりひとりも何かしらのヒーロー・ヒロインになる可能性があることを示してくれているのかもしれない。
特に、東日本大震災の復興期を生きる私たちは、あまりの出来事の大きさにめげてしまいそうになっている。
それでも、人間らしさを大切にしながら、この復興期を過ごしていこう、小さなことにでもヒーローになろう、そんな勇気を与えられる。
そう思うと、やはり、マンデラ氏はヒーローと呼ばれるに値する人。
当たり前のことにプラス、相手に対する思いやりや配慮を感じられる。小さなメモひとつにも、すごいな、と思う。監獄で嫌な思いをさせられてきたのに、どうしてこんなに相手を思う気持ちがあるのだろう。
ヒーローとは何か。人として生きるとは何か。
マンデラ氏が見せてくれた姿に人生の新たなヒントを得る1冊。
自分をこのように公表することは勇気が行ったことと思う。
マンデラ氏に伝えたい一言は、「ありがとう」。
(マンデラ氏の入院のニュースが流れているが、どうか、この感謝の気持ちが届きますように。)
また、訳が重くなくて読みやすい。
ヒーロー自伝にありがちな力みがなく、淡々とした日本語がとても入り込みやすい。
淡々としていながら、冷たくない。
そのなかには、マンデラ氏だけでなく、南アフリカへの敬意も感じられ、好きなんだな、南アフリカのこと、と感じる。
異文化に対する姿勢についても学ぶところがあり、疲れて帰宅しても、寝る前にページをめくるのが楽しい。