単なるピーターパン創作秘話ではありません。
劇作家バリが、未亡人シルヴィアと息子たちとの交流の中で、心の安らぎをみつけ、日常でつかれた自分の緊張感を癒しながらも、みずからも成長してゆき、やがて「ピーターパン」を誕生させるのです。これは愛と死と、ひととひととの心の交流、そしてこどもたちと主人公自身の成長のものがたりなのだとおもいます。
ここでのジョニー・デップが穏やかで、こどもたちへの思いやりにあふれた人間的な作家役を、素晴らしく、とても感動的に演じています。彼の人間性をきっと反映しているんだろう、と確信してしまうほどの、名演で、秀逸、です。「ギルバート・グレイプ」のときの彼をおもいだし、うれしくなりました。
彼はこどもたちのひとり、ピーターの閉ざされた心を、辛抱強く、愛情深く、徐々に、徐々に、解き放ってゆくのです。泣けるのは、 終盤の「ネバーランドのシーン」と、ラストでふたりがついに心を通わせる、素晴らしく美しいシーンです。みているものの心の奥底に響く、とても感動的な場面です。
アカデミー作品賞は候補どまりだったそうですが、この作品は05年の”マイ作品賞”です。みおえたとき、心が豊かな気持ちになれる映画はそんなに多くはないでしょう。この映画は数少ないそんな映画のひとつで、星6つあげたいくらいでした。 おおくのひとにみてほしいです。