s・マックィーンはTV西部劇でデビューしたが、現代アクション物のイメージが強い。
しかし、「荒野の七人」や本作「ネバダ・スミス」で西部劇というジャンルに忘れられない存在を示した。
原作はハロルド・ロビンスの「大いなる野望」。ハワード・ヒューズをモデルにした若い野望に燃える男(ジョナス・コード)をとりまくドラマ。この中でネバダ・スミスは、男を少年時代から鍛える「教育係」として現れる。ネバダは自分の過去を問わず拾って雇ってくれた男の父親の死を契機に、男のもとを去る。男が父親を超える時がきて「教育係」の役が終ったと考えたのだ。そして、自分の過去を回想する。その若い頃のネバダのエピソードが本編原作である。ちなみに「大いなる野望」も映画化されていて、男(ジョナス・コード)をジョージ・ペパード、ネバダ・スミスを「シェーン」のアラン・ラッドが演じている。「シェーン」の後、同じイメージから抜け出せなくなり(名作中の名作だから当然だが)苦労したらしいが、歳を経て「いぶし銀」の味をみせている。マックィーンの若いネバダとアラン・ラッドと見比べてみるのも一興だろう。
ただし、ネバダの生い立ちや復讐にいたるエピソードは同じ設定だが、其の他は原作と映画ではだいぶ違っている。映画は復讐劇だがマックィーンの魅力で颯爽とした壮快感が印象に残る。監督のヘンリー・ハサウェイは「アラスカ魂」でも痛快な娯楽作品として上手い演出をしていたが、本作でもネバダのビルドゥングスロマンとして冴えた腕をみせている。