ネット時代になり、新聞やテレビはもう終わりという声と、ネットなんて所詮はダメだという声の双方が聞こえてくる。
そんな中、本書はメディアの行く末を冷静に分析した本だ。
この冷静さの鍵は、筆者が電通=広告業界にいたということだろう。
メディアの経営が成り立つかどうかは要するに消費者がどう動くか、企業がどこに広告を出すか、の二点で決まっている。
その土台の部分を知り尽くしているからこそ、堅実な分析が出来るのだ。
本書では、新聞とテレビとはきちんと区別されて扱われている。
新聞離れは起きているがテレビ離れは起こってない、など、ひとくくりにされがちな新聞とテレビだが、その状況は大きく異なるのだ。
テレビとネットは近い部分(電子画面で表示する、等)も多く、地デジ化もあるので融合は進みやすい。
他方、新聞は紙媒体なので、近い将来には紙に依存しない、取材と情報提供で勝負するような企業に変化する可能性が高い。
前にレビューした
新聞は生き残れるか (岩波新書)と同じ構成で、メディアの「過去/現在/未来」という三部構成で切っており、既存メディアの基礎的なしくみなどもさらりと勉強できて面白い。
ネット時代のメディアを考える上では必読ではなかろうか。