初歩的なTCP/IPの仕組みとそれを利用した通信、そしてネット上にどのような機器やサーバが存在し、
それらはどういう仕組みでどのようなサービスを提供しているのかを総攬的に説明している。
あくまで総攬的であるが故、それほど掘り下げて説明しているわけでは無いが、全て目を通せば、
「なぜインターネットが使えるのか」といった、基本的で重要なことを理解出来るようになっている。
また教科書を謳うだけあって、IPの構造についての説明には、かなりのページが割かれている。
図解なども豊富にあり、理解しやすく作られていると思う。
不満としては、そこまでやるならビギナー向けに徹して欲しいということ。
L3スイッチやL4-7スイッチを用いたネットワーク構築を、少なくない紙面で説明しているが、ビギナー
向けの教科書でそこまで説明する必要があるだろうか。
また、L3スイッチとルータの違いが処理をソフトウェアベースで行うかハードウェアベースで行うかの
違いだけしか触れられておらず、肝心なLANとWANの概念には触れられていない。
L3以上のスイッチを用いたルーティングなどよりも、初歩的なルーティングプロトコルの説明をした
方が、まだしも建設的ではないかと思う。
そしてL4スイッチなど説明するよりも、本誌でほぼ触れられていないIPv6について説明すべきではないか。
また、本書の表紙で謳われている通り、ビギナー向けであるが、知識ゼロの完全初心者向けではなく、
ある程度の(と言ってもごく初歩的な)知識があることを前提としている。
AND演算を知っていることが常識であるかのように書かれているが、おそらく本誌を手に取るような
人間は、自分を含めて知らない人間の方が多いだろう。
「単純なIP計算は出来るがAND演算は知らない」という人間は多いと思うが、その逆は少ないと思う。
全体的には入門書として問題ないと思う。