元々は,本屋で表紙と題名から気になって「買ってみるか」と思ったのが大当たり。よくあるネット恋愛ものかなと思ったら,バーチャルとリアルの違いをうまく描いている。バーチャルでは,しっかりもので頼りになるキャラの「主人公」がリアル世界では「小学生」の男の子。バーチャルの「キャラ」でもリアル世界の「高校生」でも人見知りの激しい「ヒロイン」。そんな2人だけど,実はリアル世界とバーチャル世界を分ける事がネットRPGをプレイをするうえでの「自分ルール」だったりするのです。ところが,あるきっかけから「バーチャル世界」で2人が出会った所から話がスタート。2人が「バーチャル世界」と「リアル世界」で織りなす,ほのぼの恋愛コメディーです(ニヤニヤ恋愛コメディかもしれない)。
途中でタイミング良く登場するお互いの友人達や,ヒロインのお姉ちゃんがいいスパイスとなり,恋愛系4コマにありがちな,「著者の自己満足ストーリー型4コマ」にならず話がゆったりとすすんでいく。
告白のしかたも,また独特というか2人らしいというか。何か納得したりしてしまった。最後のちょっとしたサプライズがとても後味のいい終わらせ方をしてくれる。
これは,コミックだけなのかもしれないが「彼氏」と「彼女」の後日談(中学校入学)がカラーページで含まれている。これも,年齢差カップルでは定番となっている悩みもでてくるが,作品の持つ「ふんわり感」とでもいうのだろうか,その中にうまく溶け込んでいる。1巻で終わっているのもちょうど良い長さだと感じる。
またネットRPG用語をできる限り避けているので,ネットRPGをプレイしなくなった私でも違和感なしに読めるところは,ゲーマー以外を主たる対象としているからなのでしょう(どうしても必要な2〜3語だけ解説がある)。ではパソコン好きやネットRPGゲーマーは,全く対象外かというとそうでもない。あちこちに,こっそり「おや〜」と笑えるネタが転がっている。自作PCを作る人なんか,「うちに余ってるパーツあるから,新しいの組んだげる」とか,「ネジの数を数えている最中に話しかけないで」というシーンには共感しませんか(笑)。
ところで,「主人公」が使っている椅子。アーロンチェアーと思うんだが,いいの使ってるなぁ。ただ,椅子の方が「主人公」より大きいというのが,「ヒロイン」の前でちょっと背伸びしている象徴かなと「くすっ」と笑わせてくれる。作品で使われている小物が2人の関係や状況をうまく表現していて,とても好きなほのぼの作品。
少し心が疲れた,ネットで嫌なことがあった,心からゆったりしたい等の時に最適なマンガ。読書時間もちょうど良く,とてもお勧めです(だって,読んだ直後にレビュー書きたくなるくらいですから)。
p.s.
表紙の色づかいとデザインは,ある意味があります。楽しみしてに読んで下さい。あと表紙カバーをはずすとメッセージがありますので見逃さないようにしましょう。