本書の中には税について重大な解釈ミスがあります。
P174「課税所得195万円のラインに注意!」の説明ですが、
195万円を超えるといきなり課税所得が2倍になるとの記述がありますが、これは重大な誤りです。
課税所得195万円の場合:195万円×5%=税額10万円 は、まあいいのですが(厳密には97500円です)、
課税所得196万円の場合:196万円×10%=税額19万6千円
と書いてありますが、これは完全に誤りで、ここから控除額97500円が控除されますので、196万円の場合、実際の税額は98,500円となり、
195万円と196万円で納税額はたった1,000円しか変わりません。
超過累進課税制度では、上記195万円のように、見た目上は税率変更ラインを設けてはいますが、そのラインを超えたから全ての課税所得に対する税率が変わるわけではなく、控除額を設定することにより、実質的には「ラインを越えた部分にだけ次段階の税率をかける」という制度です。
このような、少し税のことを知っている人なら当たり前のことを、筆者は「堂々と間違えて」書いてあるのですから、他の内容も推して知るべし、ということでしょう。
このような誤った知識を教える本があるものですから、世の中に誤った知識を植え込まれ、195万円や330万円のラインでなんとか節税しようと躍起になる人が続出するのです。
この件について直接筆者に指摘をしましたが、このような重大な認識ミスにも関わらず誠に軽い回答で、税金をメシの種として生きていることの誇りも矜持も感じられない内容でした。
税理士でもない素人が税金の本を書くとこういうことになる、という典型的な本です。