『戯言シリーズ』の6作目にして8冊目で,
05年06月のノベルス作品の文庫化です.
シリーズ最終章三部作の2冊目となる中巻,完全に
上巻からの続きになっています.
サブタイトルにもなり,前巻の終わりから引きつけられた流れはあっさりと収束し,
以降は下巻,つまり完結への小休止というようで,比較的落ち着いて進んでいきます.
とはいえ,物語自体が停滞,空回りしているかと言えば決してそういうわけではなく,
過去に触れる主人公とヒロインの会話やいくつかのエピソードは今まで以上に意味深で,
これまでと同じでハッキリと明かされないものの,否応にでも完結を意識してしまいます.
そしてそれを受けてのラストはまた強烈な印象を残し,二人が交わした『約束』はもちろん,
主人公の決意や物語への影響など,1作目と同じサブタイトルとなった最終刊が気になります.
また,今や物語の中心となってしまった流れに突き付けられる一方的な『宣言』にしても,
予想を大きく裏切るもので,果たしてこのまま終わりを迎えるのか,こちらも気になります.
ほかでは,『あの人物』の再登場がうれしく,それまでの流れから予想はできていましたが,
主人公と交わされる掛け合いは,ピンチの最中というのに読んでいるこちらも楽しくなります.
ただ,600ページを超えるせいか中盤がダレてしまい,退屈さが出てしまうのも正直なところで,
結末へと畳み掛ける流れが印象的だっただけに,もう少しスマートにまとめてほしかったです….
なお,
ノベルス版との違いは,表紙,表紙袖の前口上,カラーの扉絵,アトガキとなっており,
恒例のカラーしおりは,主人公と再登場となった『あの人物』とのツーショットになっています.