『戯言シリーズ』の6作目(7冊目)で,
05年02月のノベルス作品の文庫化です.
シリーズ最終章で本作を含めて残りは3冊,上中下巻にわかれた上巻になります.
帯やプロローグにあるように,以降の中下巻,完結へむけたはじまりの位置づけで,
主要人物の過去やそこへの確執,世界観などが曖昧ながらもようやく見えてきました.
特に以前から名前だけが出ていた人物は,大きな『因縁』と『正体』がかなり明らかに.
その反面,敵や対決,特殊能力者が前面に出てくる流れはもはや少年マンガのようで,
これまでにもその傾向はありましたが,ここまでくるとさすがに評価がわかれそうです.
そこさえ割り切れるのなら,路線は変わってしまいましたがまずまずは楽しめる作品です.
とはいえ,過去の人物やできごとへと回帰する演出はいかにも完結間近といったところで,
仲間が主人公の下と集う場面などは,これまた少年マンガのようなカッコよさがありますし,
見えぬ『敵』,続刊への不安と期待をあおるラスト数ページには思わずゾクリとさせられます.
ほかにも外伝作品との繋がり,中でも
ノベルス版刊行時には出ていなかった作品とのそれは,
また新たな印象がありましたし,これを機にともに読み返してみるのも楽しいかもしれません.
ノベルス版との違いはこれまでどおり,表紙,表紙袖の前口上,扉絵,アトガキとカラーのしおり.
(ほかのイラストは当時のままですが,
ノベルス版の開始時,また本作ともかなり絵柄が違いますね)
なお
中巻は09年04月,
下巻は09年06月にそれぞれ刊行の予定となっています.