奈良一平「ネコあね。」4巻。
相変わらず涙腺に厳しい作品。この巻は急転直下の事実が告げられる所為で通常以上に涙腺が刺激されたのですが
それでも読み終えた後の感触が温かく胸がいっぱいになるのは基本的に暗くしすぎない、
シリアスな展開の中でもほっこりさせるような描写が挟まっているお陰だと思う。
そしてその精度は話数を重ねる毎に高まっていて
この巻ではその雰囲気や表情、素朴なシーンの数々に触れてるだけで気分が高揚して心が満たされる。
そんな至上の作品にどんどんなって来ている。例えベタな展開をしようともこの作風なら許されてしまうような。
むしろそんな真正面から胸を打つ描写の数々だからこそ素直に純粋に読める。
始まりこそ多少都合の良い美少女コメディでしたが
今やそんな都合の良さすら捨てて、本当の名作になろうと羽化しかけている、そういう印象でした。個人的には大好きな作品で。
杏子の多彩な表情や繊細な気遣いにも十分癒されてほんわか出来る4巻ですけど
恵美や早瀬さん等サブキャラメインのお話もあったりして
そしてその出来がメインキャラに負けないくらい秀逸で洗練されていて。特に早瀬さんのお話は読んでていちいちグッと来る内容で
青春時代の匂いがスーッと伝わってくるような、満を持して送られた出色な回になってて正直嬉しかった。
4巻にもなるのにキャラ数は必要最低限で、でもそれでも全然面白くて、満足で。
その世界観に没頭するだけで幸せになったり、切なくなったり。心から好きだと言える作品の一つです。