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10 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
アナザー・ヒルに行ってみたい!!!,
By tkselement (山口県) - レビューをすべて見る
レビュー対象商品: ネクロポリス 上 (単行本)
まずは本書の装飾がとても良い。雰囲気のある絵。2冊並べて一枚の絵にして表には和やかな光のアナザー・ヒル、裏返すとそこには夜霧のたちこむ影のアナザー・ヒルと、本書の内容をとてもよく表しています。死者が「お客さん」として一時帰ってくる地、V・ファー。そこで起こる数々の出来事を、見事なまでにファンタジーとミステリーを融合して、独特の世界を作り上げている恩田さんの快心の力作です。 とにかくその世界観がとても和やかで気分が良い。英国ベースの土地柄なんだけど、随所に深く浸透している変容して取り入れられている日本文化。逆に現代では少しづつ薄れていっている行事「彼岸」などを「ヒガン」と表現したりと、思わずにやりとする場面が多々あります。 数々のオマージュもちりばめられており、英国系のファンタジー小説やミステリー好きも、にやりとする場面が多々。 物語も先の展開がまったく読めず面白いのですが、やはり本書の一番の愉しみ方は、主人公ジュン少年になりきって、情緒豊かな異国の地での旅を愉しむといった読み方が一番楽しめるのではないかと思いますよ。
21 人中、19人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 4.0
おもしろい!けど・・・,
By
レビュー対象商品: ネクロポリス 上 (朝日文庫) (文庫)
恩田ワールド全開で、奇妙な異世界ファンタジーへと連れ出してくれる、 とってもおもしろい作品! 時間を忘れて、上下巻ともに一挙に読んでしまいました。 とてもおもしろかったものの、 すっきりしないエンディングや、 「結局、だからこの物語は何だったのか? 何がいいたかったんだろうか?」 という疑問がわいてきて、 読んでいる時はおもしろいけど、 読み終わって意外と何も残らない部分もあります。 暇つぶしには最適ですが、 正直それ以上の広がりはないかなという感じです。
11 人中、10人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
5つ星のうち 5.0
恩田陸ワールド、満開。,
By
レビュー対象商品: ネクロポリス 上 (朝日文庫) (文庫)
V.ファーは、英国と日本の文化が奇妙な融合を見せている島である。一年に一度、「ヒガン」と呼ばれる時期だけ、このV.ファーの北東にあるアナザー・ヒルという地域で、生者と死者が再会することができる。その年のヒガン、アナザー・ヒルに集まった生者たちの一番の関心事は、シリアル・キラー「血塗れジャック」。 アナザー・ヒルで、被害者から「血塗れジャック」についての証言を聞こうと意気込む生者たちの前に、次々と事件が起こる、と形式上はミステリに属するが、背景設定は異世界ファンタジーであり、既成のジャンル分類に嵌らない恩田陸らしい、複合的なエンターテイメントになっている。 V.ファー、特にアナザー・ヒルの文化設定はかなり複雑なのだが、その文化をきちんと理解できていない日本人を主人公においているので、読者もそれに合わせ、ストーリーが進むにしたがって少しずつ理解していくことができる。 また、著者の情景描写は巧みなので、奇妙な文化を持つ地の不可思議な風景も映像的に頭に思い浮かべられる。 そうして作品世界に入り込んでしまえば、舞台、キャラクター、謎、それぞれの魅力に酔わされながら、次々とページをめくっていくことになる。 そして、「ねじの回転―February moment」でもそうなのだが、恩田陸作品が上下分冊になるときの上巻の幕切れのしかたは絶妙で、すぐさま下巻を開かずにはいられなくなってしまう。 というわけで、下巻のレビューに続きます。
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